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「この先のアーティスト人生にも希望が出てきた。それでタイトルが浮かびました」

「『PROUD』からの3年間、音楽的に不良になって楽しかったし、良かったなと思います」と清水翔太はApple Musicに語る。

2021年の夏に届いた9作目のアルバム『HOPE』は、シンガーソングライター清水 翔太の新章の始まりを告げる作品となった。ここに至るまでの経緯を、彼はこう振り返る。「僕は周りに気を遣いすぎるところがあって、デビューからの7、8年はみんながいいと言ってくれるものを作りたいと思ってすごく苦しみました。でもそれでは自分が何をやりたいのか分からなくなってしまうと思い、僕は僕の好きな音楽をやるんだという感覚を強く持って作ったのが『PROUD』からの3作。怖いけど、とにかくトライしていった3年間でした」

R&Bを基調に伸びやかな歌を聴かせた初期の作風から大きく舵を切り、6作目のアルバム『PROUD』(2016年)からはヒップホップの要素を強め、リリックでも率直に心情を表すようになった。彼いわく「音楽的に不良になった」のがこの時期。自らのスタイルを貫く清水 翔太は、日本の音楽シーンのトレンドセッターとして高い評価を得た。「ただ、自分の信じているものが自分の思う結果につながらず、絶望を感じていた時期もあるんです。それでもいろんなものを自分の中に蓄積してきて、今の自分だからできるバランスが絶対あるはずだと思って、工夫して作ってみたのが今回のアルバム。これがけっこう楽しくて、この先のアーティスト人生にも希望が出てきた。それで『HOPE』というタイトルが浮かびました」

近年は打ち込み中心のトラックが多かったが、今作『HOPE』では生音をメインに置いたアレンジを施し、音も言葉も全体的に柔らかな印象をもたらしている。「やりたいことを思いっきりやって、やっぱりいろんな人に聴いてもらうことを諦めちゃダメだなと思った」と語る清水 翔太の顔は、どこか晴れやかだ。「30歳を超えた今、もう不良になることはないと思うけど(笑)、これからは今まで培ったものをミックスして、いい案配でやっていけたらと思っています」

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